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第3回沖縄学生サミット(平成29年2月)

平成29年2月19日、沖縄コンベンションセンター会議棟において、第3回沖縄学生サミット2017が開催されました。

本学生サミットは、沖縄県内11の高等教育機関の学生で構成された学生会議により企画立案され、県内の各大学等の学生が一堂に集まることで、学生による知性のネットワークを広め、各大学等の特色ある学風の交流を深め、英知を結集することにより、学生の未知なる可能性を引き出し、地域社会の活性化と発展に寄与するとともに、世界に通用するユニバーサルな人材を育成することを目的に開催されたものです。

開会後のオープニングセレモニーでは、沖縄県立芸術大学の学生による琉球舞踊が披露されました。演目は、祝宴の座開きとして踊られる「かじゃあで風(かぎやで風)」で、地唄の三線、太鼓の伴奏のもと踊られ、厳かな幕開けとなりました。

オープニングセレモニーの後、主催者を代表して沖縄学生会議代表の垣花友野(沖縄大学2年)さんと大学コンソーシアム沖縄代表理事の瀬名波榮喜氏から挨拶が行われました。

ご来賓として、沖縄県文化観光スポーツ部統括監の照喜名一氏から沖縄県知事としての来賓挨拶の代読が行われました。

挨拶の後、(公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会副事務総長の布村幸彦氏から「スポーツには世界と未来を変える力がある 全員が自己ベスト、多様性と調和、未来への継承」をテーマに基調講演Ⅰが行われました。

基調講演では、布村氏から、東京2020大会の概要や大会のビジョン、東京2020参画プログラム、主なアクション事例、自治体や大学等との連携事業などについて説明がありました。布村氏は、最後に「2020年のオリンピック、パラリンピックも学生の方々がボランティアを通じて、あるいは聖火リレーを通じてスポーツを支える楽しみを一緒になって味わい、一緒になって作り上げてもらいたい。その中には、文化のプログラムや教育プログラム、まちづくりの活動など8本の柱がある。どのような活動でも、オリンピック・パラリンピックにつなげることができると思う。若い学生の方々の主体的な参加を、2020年のオリンピック・パラリンピックへの参加をお願いしたい。」と述べ講演を締め括りました。その後,会場からの質疑に答え,基調講演は終了しました。

  

沖縄県立芸術大学生の琉球舞踊による幕開け

      

学生会議代表の垣花さんによる挨拶    瀬名波代表理事による挨拶

      

照喜名統括監による知事来賓挨拶の代読    布村氏による基調講演

  

午後の部では、第23回世界空手道選手権大会において個人形の部で優勝した劉衛流龍鳳会の喜友名諒(きゅうな りょう)選手や世界的にも活躍する同会の金城新選手や上村拓也選手による空手の演武が行われました。

演武では、張り詰めた緊張感の中、迫力ある空手の演技が行われ、多くの観衆を魅了しました。

その後休憩を挟み、三選手による基調講演Ⅱが行われました。講演では、それぞれの選手の幼少時代の話や、空手一筋に打ち込んできた学生時代の話、師匠の佐久本嗣男氏への思い、空手に対する姿勢や空手人としての前に人としてあるべき姿勢など説明があり、これまでに歩んできた空手の人生に対する熱い思いが観衆に伝わりました。

  

  

      

上村氏による基調講演          金城氏による基調講演

 

      

喜友名氏による基調講演          講演を熱心に聞く来場者

 

講演後、「2020年世界は、自分はどうなっているか」をテーマにグループディスカッションを行いました。ディスカッションには60名を越える参加者があり、大学生のみならず、高校生や留学生も参加し、活発な議論が行われました。グループディスカッションの最後に、10グループから発表が行われました。このディスカッションを通し、大学間による交流や国境を越えた人的交流が図られ、大変有意義な機会となりました。

ディスカッションの様子

 

【ディスカッションでの発表】

(テーブル1)

我々のテーブルは、科学者がほとんどだったので、予測となると、我々科学者は保守的になるので、2020年に世の中が、どのようになるのかではなく、どのような世の中になったら、良いかということを中心に話をした。

3つのことにまとめられる。

一つ、世の中が簡単になる。もっと発展した世の中になって欲しいと思った。つまり、皆がみな、iPhoneの新しい機種がどのようなものであるのか、と思うのではなく、もっと大事なものを大切にする世の中になって欲しい。物質主義ではなく、経験をベースに価値を持ち、消費主義に走らない世の中になって欲しい。

二つ目、もっと多様性が尊重される世の中になってほしい。今後もグローバル化は進んでいくと思われるが、文化、言語、人種、民族にしろ様々な多様性の力が尊重される世の中になって欲しい。

このような違いが無くなってしまうこと、世の中が、均一な社会になってしまうことが必ずしも良いことではないと思う。このような違いがあるからこそ、違った視点があり、違った視点から物事が見られるから、問題解決ができると思うからである。

三つ目,文化、言語の違いを乗り越え、よりコミュニケーションが容易にできる世の中になって欲しい。違いはそのまま維持しつつも、よりコミュニケーションができる、例えば、グーグルトランスレートやウエアラブルなツールを使い、容易にコミュニケ-ションができる世の中になってもらいたい。

 

(テーブル2)

我々のグループでは特に平和とテクノロジーについて話し合った。2020年には大変不安定な時期を迎えていると思う。世界の各地で、例えばアメリカの指導者のせいなどで緊張が高まると思う。しかし世界がオリンピックの期間という短い間だけでも違いを超え、平和になるのではないかと考えた。2020年には多くの観光客が東京にオリンピックのために訪れてくれれば良いと思っている。オリンピックのために日本が人気の観光大国になってほしいと思った。

科学技術では、今出回っているVR、AI、ロボットがこれからの世の中の問題となっている事を解決していくのではないかと考え、2020年になった時にこれらが多くの問題の解決や役に立っているのではと考えた。

まず始めに一人一人が2020年に何をやりたいのかを話し合った。自分は都市科学を大学で専攻したいと考えている。都市科学と言うとまちづくりや、発展というイメージをもたれると思うが、私は、今、沖縄で問題になっている貧困や隣人を知らない人が増加している問題を地域で解決し、2020年に多くの人に良いニュースを届けることができたらと考えている。

 

(テーブル3)

我々は最初に2020年どのようになっていたいか、について話し合った。2020年に私たちは、一人一人が思い描く未来にどこで、どういったことをしているのかということを皆で共有した。博士課程に進んだり、言語の勉強をしたり、東京で働きたいなどということをお互いシェアした。

日本や世界がどうなっているかについて、オリンピックが開催されるにあたり、色々な国の観光客を呼んで、建物が作られ、外国人に対しても環境が整備されていくこととなるが、東京周辺だけでなく日本全体で観光客を受け入れる環境を整えていけると良いと思う。

難民受入について、日本はドイツなどの他国と違い受け入れる制度がないので、困っている人に対して手を差し伸べてあげられる国になれば良いと思う。観光客は受け入れているが困っている人に対して具体的な手助けが日本は遅れていると思う。日本も世界の人を魅了できる国になっていけるよう、難民問題を解決していくことも日本には必要だと思う。

 

(テーブル4)

我々のグループは、2020年に沖縄の悩みである交通渋滞をどのように軽減できるかについて話し合った。自動運転バスのシステムや、アプリでタクシーを呼んだらすぐ来るようなシステムも良いと話し合った。公共交通機関の規模拡大も必要だと思った。沖縄の高校バスなどの設置は良いと思う。

ウーバーシステムの導入もほしい。ウーバーシステムとはアメリカなどにある民間人のタクシーで、今のタクシーより安く、便利なシステムである。これら全てが導入されれば日本の生活はもっと便利になると思う。

 

(テーブル5)

2020年の日本全体はもっとインターナショナル化しているという意見が出た。沖縄での観光産業や、商品を売る技術面が発展していき国がインターナショナルになっていくと考える。

その理由は、今、日本は観光産業に火が付いているからである。ホテルが不足からグレーゾーンを闊歩する民宿が増えているのはご存知のことと思うが、利用者はアジア系やヨーロッパ系も増え顧客が拡大していき、観光産業に火が付いた状態で2020年を迎えることにより、観光産業以外にもテクノロジーや他の産業にも火がつき、それによりエコノミーが良くなっていくと思っている。

懸念事項としては、日本人は外国人と触れ合う機会がなかったので、ここ近年、世界から外国人が入ってくるということは、誤解を招く表現かもしれないが、侵略者になり得てしまう時があるかもしれないと肝に銘じておかなくてはならない。

つまりインターナショナルな国になるということは、我々もその場に行けるような人間になる必要があるということも同時に示しているのではという話になった。

 

(テーブル6)

我々のグループも観光について話し合った。まず、東京オリンピック開催で観光客が増加すると思う。それによって日本の文化を世界に発信するチャンスが増えてくると思う。また、経済の効果も上がり、日本各県の最低賃金も上がるのではということをメリットとして話した。

デメリットとしては、宿泊施設が増えると同時に、一般の家庭に泊まる民泊が増え、その際のマナーやお金の問題も生じてきているので、解決策を考えなくてはいけないと話し合った。

また、人の増加によって交通の便も不便になる。今でも東京は満員電車が多いが、観光客が増えることでさらに交通の便が不便になり、マナーの面で、外国からくる観光客はバスや電車での優先席が分からないので、障害を持った人や高齢者など優先席を必要とする人が座れないという問題も増えてくると思う。そこでインフラの整備も必要になってくると考える。

 

(テーブル7)

我々は、個人的に出てきたキーワードから話し合いを進めた。最初に重要なポイントとして地域発展が出てきた。オリンピックでアピールするきっかけはどうあるかを話し合った。そこで、きっかけを広める前に自分たちがまず沖縄のことをよく知らないという原点に戻った。オリンピックはグローバル化が進んでいく1つのターニングポイントになるが、そのグローバル化が進んでいくということは、世界に目を向けていくということだけでなく、客観的に自分たちや日本を見るきっかけになると思った。

そこで、客観的に見て自分たちが日本を知っているか、日本はどんな国なのか、という問いに今は一般的に知られていることしか説明できないのではないかと思った。その理由から、知ることが一番大事なのではないかと思った。知るためには海外の人や地元の人とのコミュニケーションの輪を積極的に広げていく必要があると思う。

グローバル化が進んでいるというのが一つのキーワードで、グローバル化が進んだ中で自分たちが自分たちを振り返るきっかけとして、もっと日本国民が日本や地元を知る、探っていくという活動が2020年には活発化するのではないかということが我々の意見である。

 

(テーブル8)

我々は、看護・医療について2020年に絡めて考えた。2020年はオリンピックがあるので、国外から外国人の選手団やそれに伴う医療チームが入国し、オリンピックを見に来る外国からの観光客が増え、人が増えることから色々な問題が起きると思う。大きな怪我などで日本の病院に来た時、外国の人だからといって看護師や医療従事者がその方の言語や宗教が分からないということで否定するのではなく、分からなくても受け入れることが必要だという考えに至った。まずは受け入れて、言語が通じなくてもボディランゲージなどで話し治療し、そこからゆっくりコミュニケーションを取れば良いのではないかと思う。

 

(テーブル9)

我々は貧富の差が出てくるのではないかということを話し合った。オリンピックの開催で東京だけがさらに豊かになるのではないかと思う。東京だけでなく日本全体が平等に豊かになり、貧富の差を少しでも減らしていくべきだと話し合った。

 

(テーブル10)

まず、2020年には何歳になっているか、その時、就職、大学、また開発研究などをしているということから話し、何が大切なのかということを話していった。

2020年にオリンピックが開催されるにあたり、日本に外国人が増えていき、日本人がグローバル志向になり、そこから言語の壁に気付いていくと思う。その後、教育の見直しなどが政府主体で進んでいくと思うが、現状ではなにも起こらないと思うので国民がアクションを起こし、考えていくべきであり、そこから日本は超経済大国になると考える。

 

グループディスカッションの後、沖縄学生会議副代表の平良正和(沖縄科学技術大学院大学博士課程1年)さんから閉会の挨拶が行われ、沖縄学生サミットの全プログラムが終了しました。

学生会議副代表の平良氏による閉会の挨拶

 

 

 

 

 

 

 

 

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