お知らせ
24時間ではしりぬける物理実行委員会/東京学芸大学から一般社団法人大学コンソーシアム沖縄への寄附贈呈式を開催
2021.01.18
2021年1月13日(水)に24時間ではしりぬける物理実行委員会/東京学芸大学から一般社団法人大学コンソーシアム沖縄への寄附贈呈式を開催しました。コロナ禍ということもあり、オンラインでの開催となりました。
24時間ではしりぬける物理実行委員会の東京学芸大学 小林晋平准教授(自然科学系基礎自然科学講座物理科学分野)より、「2020年2月の時点で、コロナ禍で自粛が続き、学校にも行けない状況に、教育大学に身を置く者として、子ども達のためになにかしたいと思い、3月20日~21日に24時間の物理の講義をライブ配信した。その際、教育格差や貧困で苦しむ子どもの助けに寄付を募ったところ、150名ほどの方より寄付をいただくことができた。その一部を教育格差問題が顕著にあらわれている沖縄県の子ども達のために使っていただきたい。寄付をくださった皆様の熱い志を元に、大学コンソーシアム沖縄の皆様と、今後も連携を深め活動していきたい」とのご挨拶がありました。
目録、感謝状の贈呈は、それぞれが画面上に見せるという形をとりました。
続いて、西田睦代表理事からのお礼の挨拶として、「24時間ではしりぬける物理実行委員会の皆様は、24時間、物理の講義をライブ配信するという画期的な挑戦をされ、視聴者に子どもの支援へのご寄付を募られ、今回ご厚意をいただいた。私もいくつか講義を視聴させていただいたが、小林先生の熱意が伝わってきて、物理の面白さを再確認した。いただいた寄付金については、子どもの居場所に派遣する学生への謝金に充てることにしている。今年度は、新型コロナウイルスの影響で、ボランティア活動に多くの制約もあったが、11月末時点で、46か所の子どもの居場所へ119名の学生を派遣している。子ども達、居場所職員、地域の方々との交流により、学生にとっても居場所での活動が多くの学びの機会になっているので、沖縄の子ども達のためにしっかりと活動していきたい。今回のご寄付にあたり、24時間ではしりぬける物理実行委員会の皆様と、子どもの居場所学生ボランティアセンターをつないでくださった、東京学芸大学 入江優子先生にも改めてお礼申しあげる」と感謝の言葉が述べられました。
記念撮影もモニター越しの撮影となりましたが、関係者全員での撮影となりました。
前列左から大学コンソーシアム沖縄事務局長 満尾俊一、同代表理事 西田睦、子どもの居場所学生ボランティアセンター長 本村真、後列左から琉球大学総合企画戦略部地域連携推進課長 仲里隆司、子どもの居場所学生ボランティアセンター 砂川育子、モニター内前列左から2番目24時間ではしりぬける物理実行委員会代表 佐伯栄一様、同3番目東京学芸大学 小林晋平准教授
モニター内左下 東京学芸大学 入江優子准教授、同右下 東京学芸大学 加瀬進教授
※いずれも撮影時のみマスクを取って撮影しました
取材の記者からは、子どもの貧困問題に取り組んでいる団体は他にもある中で、大学コンソーシアム沖縄に寄附した経緯について質問があり、東京学芸大学 小林准教授から、「大学コンソーシアム沖縄以外には、沖縄の子ども食堂や子どもの学びの場所を提供している方々にも寄付をしている。子どもの貧困の根本的な問題の解決には基礎研究も必要であり本学でも取り組んでいるが、同様の研究や実践活動を、沖縄県全体で大規模に展開されている大学コンソーシアム沖縄に寄附した」との回答がありました。
その後、オンライン上での懇親となり、東京学芸大学 入江優子准教授(子どもの社会資源格差を乗り越える教育協働システムに関するコンソーシアム型研究開発プロジェクト副主査)から「貧困は子どもの問題ではなく大人や社会の課題ではあるが、子ども達が様々な制約のある環境で育つ中で、生活面、学習面で複合的に困難があらわれてしまっている。そのケアには丁寧な対応が求められ、支援の担い手の養成や社会的理解が重要になっている。本学も、教員、教育支援者養成を行う大学として、学生を派遣しながら支援し、知識や実践を積み重ねていく取組をしてきており、沖縄の大学が力を合わせて子どもの貧困問題に取り組んでいる大学コンソーシアム沖縄の取組に非常に共感したので、今回、つなぎ役をさせていただいた。沖縄で実践をすすめている皆様と本学の研究が今後連携していくことができれば、子どもの貧困問題により深く取り組んでいけるのではないかと思っている」とのお話しがありました。
また、東京学芸大学 加瀬進教授(子どもの社会資源格差を乗り越える教育協働システムに関するコンソーシアム型研究開発プロジェクト主査)からは、「本学は、教員養成がメインの大学で、4年生全員に子どもの貧困の授業がある。貧困問題を自分事として考えることができにくいまま教員になる学生が少なくないと痛感しているので、大学コンソーシアム沖縄と連携することで、沖縄から学び、学生同士の交流もしていきたい」とのお話しがありました。
子どもの居場所学生ボランティアセンターの本村真センター長からは、「150名の方からのご寄附に、重みと責任を実感している。様々な背景があって託していただいていると思うので、このセンターを通じて、学生が子ども達のために活動できるようにしていきたい。今年度は119名の学生ボランティアを派遣しているが、沖縄では、9割以上が沖縄本島の中南部への派遣と偏っており、社会資源の格差もある。東京学芸大学が先んじて実施している遠隔の教育サポートは、離島地域から参加した方からも、沖縄でも取り入れるべきだという声も届いているので、連携を強化していきたい」と感謝の言葉が述べられました。
24時間ではしりぬける物理実行委員会/東京学芸大学様からのご厚意により、今後、子どもの居場所学生ボランティアセンターの活動が益々充実発展していくこととなります。厚く御礼申し上げます。