お知らせ
琉球宇温基金から一般社団法人大学コンソーシアム沖縄への助成金贈呈式を開催
2020.03.10
令和2年2月25日(火)に国立大学法人琉球大学において、公益財団法人みらいファンド沖縄・琉球宇温基金から一般社団法人大学コンソーシアム沖縄への助成金贈呈式を開催しました。
『琉球宇温基金』とは
川崎宇温さんは、平成29年に琉球大学に進学しました。社会学を専攻し、沖縄の離島や施設の子供達の教育のサポートに関する活動(アメラジアンスクール・イン・オキナワ、子どもの居場所学生ボランティアセンター)や、沖縄の地域や離島の、地元に根付いた地域活性化に関する活動(ちゅらプロ)に自ら進んで参画し、サポートに尽力していました。
当センターにも平成30年度にボランティア学生として登録してくださり、その年の夏の離島派遣に応募、石垣島で活動する予定でした。しかし残念ながら、派遣を目前にして、海難事故で逝去されてしまいました。
彼の「人から人へ幸せをつなぐ」という志を引き継ぎたいご家族と有志が集まり、川崎宇温さんが参画していた活動をサポートし、課題の解決に貢献すると共に、彼の遺志を引き継ぎ、人から人へ幸せをつなぎ、明るく希望に満ちた社会を築くことを目指し、『琉球宇温基金』が設立されました。『琉球宇温基金』は公益財団法人みらいファンド沖縄を通じて寄付を募り、その資金の一部を、彼が参画していた活動等へ助成するというものです。
今回、彼が参加する予定であった当センターの離島派遣に関する助成申請が採択され、離島派遣で活動を行う学生に対する謝金に助成金を充てる事が出来る事となりました。この助成金は離島派遣学生の謝金に限って充当されることとなります。
【助成金贈呈式の様子】
助成金贈呈式では、川崎真一事務局長より、
「みらいファンド沖縄、琉球宇温基金の事務局長の川崎真一です。宇温は、平成29年の4月に琉球大学に入学致しました。当時の法文学部で、本村先生、野入先生、小島先生にお世話になりながらいろいろな活動をさせて頂いていたのですが、平成30年の8月に海難事故にあい、9月3日に亡くなりました。琉球大学では先生方のご指導のもと、子どもの居場所、アメラジアン、ちゅらプロなど、いろいろな活動をさせて頂いておりました。生前、『京都には帰らずに沖縄で活動を頑張っていきたい』と言っていた矢先の事故という事で、我々家族がその志をつないでいきたいとの思いで、みらいファンドの協力を得て、基金という形で設立させて頂きました。特に宇温が活動しようとしていたことに助成させて頂き、宇温の遺志をつないでいきたいという思いで、今回助成金という形で贈らせて頂きます。」とのご挨拶を頂きました。
その後、川崎真一事務局長から西田睦代表理事へ助成決定通知書が手渡されました。
(左から)琉球宇温基金の川崎明宙様と川崎真一様、西田睦大学コンソーシアム沖縄代表理事
引き続き、西田睦代表理事から川崎真一事務局長へ感謝状が贈られました。
(左から)川崎明宙様、川崎真一様、西田睦大学コンソーシアム沖縄代表理事
西田睦代表理事からは、
「大学コンソーシアム沖縄の代表理事を務めております琉球大学 学長の西田です。今日は本当に貴重なご厚意を子どもの居場所学生ボランティアセンターへ頂きまして、厚く御礼申し上げます。宇温さんも沖縄の離島や施設の子ども達の教育のサポートに関する活動に自ら参画し、人から人へ幸せをつなぐことを軸とした活動を多方面で展開、奮闘されていたとお聞きしております。子どもの居場所学生ボランティアセンターにも登録してくださり、離島での活動に参加して下さる予定でした。宇温さんの『幸せをつなぐ』という遺志を引き継ぎ、宇温さんが参画していた活動のサポートを通して、明るく希望に満ちた社会を築くことを目的とし立ち上がった琉球宇温基金様から、沖縄の子ども達のためにお力添えいただきましたこと、琉球宇温基金運営委員会及び関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。我々もしっかりと受け止めていきたいと思っております。この基金の活動によって、沖縄の貧困問題が少しでも前進していければという思いと、私どももできる限り頑張っていきたいという思いでおります。琉球大学あるいは他の高等教育機関の教員、職員を含めて、ご提供いただいた基金を決して無駄にはせず、しっかりと活用していきたいと思います。今後とも見守って頂けますと幸いです。」と感謝の言葉が述べられました。
また、地域共創型学生プロジェクト(ちゅらプロ)での宇温さんを知る小島肇特命准教授は、「多くの学生は自分のやりたいことに目が行きがちだが、宇温君の場合は地域側の視点から、本当にこれをすることで地域にどのような貢献ができるのか、地域側は本当にこれを求めているのか、という事を熱心に相談してくれた。この思いを後輩たちにつなげていきたいというこの基金をぜひ活かして、活用が続いていけばありがたいなと思います。」と述べられました。
社会学で教鞭をとっていた野入直美准教授は、「本当にいろいろなことに好奇心があって、意欲がある学生で、与えられた課題をこなすのではなく、自分から課題を見つけていって、自分の足で現場に出かけていって扉を開いていくという、非常に意欲的な学生でした。亡くなった後にお別れ会に集まった人たちの多様さとその人数と熱意とに教員もびっくりさせられるほど、本当に一人の学生だったかと思うくらい、あらゆる現場にいたという印象です。ぜひとも、続いていく後輩たちにも、宇温さんのような生き方、学び方をこの基金を通して実践していってもらえることを願っております。」と述べられました。
川崎宇温さんの遺志を引き継ぎ、「人から人へ幸せをつなぐ」という言葉を胸に、子どもの居場所学生ボランティアセンター一同、さらなる活動の発展・充実を目指していきたいと思います。
関係者による記念撮影
左から) 野入直美様(琉球大学 人文社会学部 准教授)、小島肇様(琉球大学 地域連携推進機構 特命准教授)、川崎明宙様(琉球宇温基金 事務局)、川崎真一様(琉球宇温基金 事務局長)、西田睦大学コンソーシアム沖縄代表理事、平良斗星様((公財)みらいファンド沖縄 副代表理事)、本村真子どもの居場所学生ボランティアセンターセンター長、新田早苗大学コンソーシアム沖縄事務局長