お知らせ
R6年度夏季離島派遣を実施しました!
2024.10.16
学生の長期休暇(夏休み・春休み)を利用して離島地域へ学生を派遣する、当ボランティアセンターの離島派遣事業について報告します。
以下に、R6年度夏季離島派遣、学生の活動報告の一部を抜粋してご紹介いたします。
<学生の声>
居場所A・B(石垣島)
- 子どもたちの印象としては、元気で明るい性格の子がいたり、人懐っこく、子どもたちの方から話しかけてきてくれる子がいたり、一定数人見知りする子もいました。人見知りする子に関しては、時間をかけて少しずつ話しかけていくことで、徐々に距離を詰めていき、仲良くなることができました。子どもたちはみんな勉強熱心で、静かに、勉強に取り組む子が多かったです。また、やや人見知りする子も多く、わからない問題があっても、スタッフに助けを求めることができない子が多い印象だったため、スタッフや私の方から積極的に「ここわからない?」や「大丈夫?」などと質問を投げかけることで、少しずつ距離を縮めていき、わからなかった問題も解くことができました。二日間という短い時間でしたが、子どもたちと少しでも仲良くなることができたと思うので、良かったです。
- 離島派遣全体を通して、島に高校までしかない分、大学生と関わる機会がないから自分の進路について、本島の子どもたちと比較すると選択の幅が狭くなってしまうと感じた。だからこそ離島派遣で大学生と関わり、進路や島を出て生活することについて話をして視野を広げることが子どもの可能性を広げることになると強く感じた。今回の派遣で島の子どもたちと関わることができてとても嬉しかった。
- 今回の活動を通して初めにいいなと思ったことは、みんな教室に入る時挨拶しながら入るところだ。また学校のタブレットを使用し高校入試の過去問を探し、解いていた。私の世代はぎりぎりタブレットが支給されなくてICT教育を受けられなかったので、使いこなしている姿を見て凄いなと感じた。沖縄本島の高校を目指している生徒が学校見学に行くか迷っていると聞いて時間やお金の都合で実際に高校に行けなくても大学みたいに出張オープンキャンパスでその高校の生徒や先生と話せる機会があったら高校のことを詳しく知れ、モチベーションにも繋がるのではないかと考えた。
居場所C(宮古島)
- 活動した居場所は子どもたち一人ひとりのニーズを大切にし、それぞれのライフステージに応じた支援を心掛けているということで、勉強だけでない他者との遊びや会話で関わることでの自主、自立、自己決定を目指し寄り添った支援を理念としていた。活動をしてみて、子どもは思っているより、大人をみていて周りの視線や雰囲気を読み取って子どもたちなりに気を遣っているのが感じられました。だから私は、遊ぶ時も、宿題をするときも、本気で子どもたちと向き合って本気で遊びました。分からないことは正直に分からないと言って一緒に調べてみたり、ゲームのルールなど分かるまで子どもたちに何度も聞いて教えてもらったり、手加減をしないで私自身も楽しむことを意識しました。そうすると、子どもたちが自分の好きなことや自分の気持ちを素直に話してくれるようになり打ち解けた感じがしました。
- 今回の宮古島の離島派遣では、瞬間瞬間に色々なことを感じた。愛を持って接して時間をかけて信頼関係を築き上げていくことや、自分の中に新しい考え方や、気づき、求めていたものが入ってきた感覚があった。充実した時間を過ごすことができてよかったと思う。この機会を設けてくださり大変感謝しています。
- 今回の離島派遣活動では短い期間でありながらも、個人に向き合いながら関わったり支援することができました。また定期活動では気づくことができない学びや体験があったのでとても充実した活動だったと思います。最後にこの経験が様々な場面で活かされ、より多くの子どもたちの力になれるように日々努力し自分自身を高めていこうと思います。
居場所D(宮古島)
- 島に来てから島時間が流れているように感じます。本島の子ども達と変わらず、ネットやゲームをしていて住むところは異なるが子どもの生活は変わらないと感じました。勉強の習慣を付けるためにも大切な居場所だと思いました。話の中で、本島(那覇)に行きたいと話をしている子がいて、内地や本島に憧れを持っている子が多かったです。活動が慣れたころに終わってしまい、今後も継続できる方法があればいいなと思いました。勉強はon-lineでもできるのではないかと考えました。
- 今回の離島派遣を通して、初めて会う子たちとのコミュニケーションの取り方を学べたと思っています。子どもたちの目線に立ち、子どもたちに近い話題をふると、好意的に接してくれることが多く、自然と様々なことを教えてくれるようになりました。勉強の教え方については、改善の余地が多いと感じていますが、今後も工夫を重ねていきたいと思います。
居場所E(宮古島)
- 学生ボランティアの活動を通して、生まれて初めて「先生」と呼ばれる体験をさせていただきました。うれしい気持ちもある反面、様々なことを考える機会となる活動でした。この活動で、話を聞いてくれる人がいるということを子どもたちに伝えられたらな、と思いながら関わるようにしていました。家庭環境が及ぼす教育的問題、子どもの発達は今後も諦めることなく議論しあい、子どもたちが未来への希望を持てるような活動をこれからも続けていきたいと思います。
- 今回の活動を通して支援の狙いを探り、本質に迫ることができた体験となった。過去と現在の支援に対する考え方も大きく変わり今後の活動に生かすことのできる知識が蓄えられたと感じる。私たちの当たり前は、誰かにとっては当たり前ではない。それが身近な人物なのか、そうでないのか。人間は皆平等でなくてはならないという考えを元に、そんな子供たちに耳を傾けて少しでも実現できるような活動がしたい。
- 私は、「離島派遣に来させてもらっているなら、ここではなかなかないような話や体験を提供しなければいけない」、となんとなく焦っていたのですが、活動場所の先生方を観察していると、どちらかというと、「勉強、新しい知識を教えよう」というより、子どもたちがつまらなそうにすることがないよう、孤独を感じることがないよう、「寄り添っている」感じが強いことがわかりました。活動を通して、空回りすることもありましたが、子どもたちとの距離感を読み、何かやらせる、というより、常に気を配り、必要なものがあったらさりげなく差し出す、この教室の先生方に学ぶことがたくさんありました。
居場所F(宮古島)
- 今回のボランティア活動を行った居場所さんはアットホームな雰囲気がとても印象的でした。生活支援では、汚い言葉や暴言にすぐ反応し、注意することを心がけました。居場所の方の「暴言を放っておくと、暴力につながる」というお話がとても印象的であったため、特にその点に注意して子どもたちとの会話を楽しみました。居場所の方が汚い言葉や暴言を言わないようきちんと気を付けているおかげか汚い言葉を使う子は1人もおらず、暴力をふるったり、暴れたりする子どもたちもいませんでした。子どもたちも初めはとても緊張していましたが、自己紹介をしてくれたり、打ち解けてきたら、学校のことや家族のことなどたくさんのことについて話してくれて、とても楽しい活動となりました。
- 今回初めて離島派遣に参加し、離島に住んでいる子ども達と触れあえる貴重な機会を頂くことができました。今回の活動の中で印象に残っていることは2つあります。1つ目は、支援員の方が必ず子どものそばについたり、子どもが複数人いる時はその子ども達の間に入って活動し、1人で過ごす子どもを作らないようにしていたことです。2つ目は、複数人でそろって「いただきます」の号令をしたり、孤食をさせないように支援員がそばについて会話をしながら食事をするようにしたりといった、食育支援に力を入れていたことです。今回の活動を通して、支援員さんの子ども達に対する声掛けの仕方や、家のリビングにいるような和やかな環境のもとで、子ども達が安心して過ごせるような環境配慮の仕方など、活動で多くの学びを得る事ができたのでとても良かったです。
- 今回活動した居場所では学習支援と生活支援、食育支援、保護者に寄り添う支援という方針があり、その中で一番印象に残った内容は、食育支援の中にある食事のルールやマナーを守ったら他にも活きたというお話だった。ここでは、複数人でそろって「いただきます」の号令で食事を始めることが、一番に挙げられていた。子どもたちが安心して過ごせるよう、生徒の隣に先生がいるように意識して活動に参加した。今回の活動では、話しかけなくても話しかけてくれる子、話しかけたら話してくれる子、話しかけても話さない子、という3タイプの子どもがいると学べた。この学びを知識の一つとして今後の活動に活用したい。
- 今回活動した居場所では放課後の学習支援や生活指導をはじめ、将来の進路に向けたキャリア形成、食事の提供や共同調理などを行っており、わたしも会話や食事を通じて子どもたちとふれあいました。学習時間は集中力が持続できる30分を限度にし、勉強よりも遊びや対話を大切にしている印象を受けました。今回の活動を通して、離島に暮らすの子どもたちや、支援する職員の方の姿勢などから、考えさせられることが多くありました。また、今まで活動してきた居場所に比べて、心に壁を作る子や、深刻な事情を抱えている子が多く、どのような接し方をすればいいか戸惑う場面が多くありましたが、同時に学ぶこともたくさんありました。今回の経験を今後の活動に活かしていけるようにがんばります。
居場所G(南大東島)
- 南大東島への離島派遣は2回目となる。前回は春休みの派遣で南大東島を訪れ、活動を行った。島の子どもたちは初対面の人に対しても、しっかりと挨拶をすることができ、笑顔で話してくれているのが印象的だった。小学校低学年にしても、自分の名前を話したり、聞かれたことに答えたりする、基礎的なコミュニケーション能力が高いと感じた。また中学生にはあまり質問されることはないかなと、勝手に予想していたが、対応時間2時間のうちのほとんどを質問対応に追われるほど活発に質問してくれて、学習支援のやりがいを感じることができた。教えるよりも教わることが多くなるが、大学生としての良いイメージを島の人たち、子どもたちに持ってもらうことができるように頑張りたいと思う。
- 私は南大東島の居場所で学習支援などのボランティア活動を行った。当初は3日間の予定であったが台風接近のため一日短縮し2日間という短い期間となった。一日目は居場所スタッフの方々と一緒に子供たちの課題として使う教材を作った。居場所ではとにかく図を書いて表現することが出来ない子どもたちもいるのでボランティア学生に図を書いて答えてもらう問題をカードに作成した。さらに居場所独自のプリントや三語短文などもあり、三つの漢字を用いて文を作るなど他の居場所にない図を書き出す事を目的にした問題や、学校で習ったことを居場所で復習するだけでなく、とにかく考えて答えを導き出すことにシフトした活動となっており、他の居場所でも参考に取り入れたいアイディアとして良いと思った。今回の活動では納得する教え方などが分かって来たので、この経験を活かしながら次の活動でも分かりやすく教えられるようにする。
居場所H(南大東島)
- 今回の活動を通じて、自分から話しかけることも大切だと感じた。定期活動でいつも遊んでいる子はいつもその子から誘ってくれたから話す機会が多いのではないかと考えた。これからも話す機会が多い子・少ない子関わらず、自分から声をかけていきたいと思った。活動最終日の時に子ども達はなぜか自分を部屋に入れないことがあった。当時嫌われたのかと思ったが、最終日に関わった子ども達全員手作りのお礼の手紙を用意していたことがわかり、感動した。常に口の悪かった子もお礼の手紙を書いてくれて、他にもお礼のプレゼントを何個か作ってくれたので、とても嬉しかった。
居場所I(伊平屋島)
- 塗り絵や鬼ごっこ、折り紙、バレー、学習支援など様々な活動を行った。塗り絵や折り紙では子ども達から自分に対してできたものを見せてくれたりプレゼントしてくれたりして非常にうれしかった。学習支援では何人かの夏休みの宿題を見たがみなドリルの算数や作文を残している子ばかりであった。子ども達の勉強を見たり中学生の子の従妹の親の話を聞いたりしてやはり子ども達の勉強に足りない部分があると感じた。離島という閉鎖的環境下でそだっているため学習意欲が低く進捗度が低くても周りも似たような子が多いため焦りを感じないのだろうと思った。
- 今回の伊平屋島への離島派遣で、前回の離島派遣と比較しながら、離島地域の子どもたちの置かれた現状について理解を深めることができた。石垣島や宮古島と比較すると、同じ離島でも、伊平屋島の方がより沖縄本島と隔離されている環境であったが、その分子どもたちが周囲の大人に見守られながら成長していく環境なっているのではないかと思った。今回の伊平屋島への離島派遣で得た学びを、今後に繋げてゆきたい。そして、離島の子どもたちの抱える問題がより良い方向に向かっていくよう、私自身できることをしていきたいと思う。
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以上が報告の抜粋となりますが、いかがでしたでしょう。学生たちはこの離島派遣を通して、地域性による違いや日ごろの活動に活かせる気付きを得、将来につながる経験をしています。
ここで、離島派遣での学生謝金に活用させていただいている琉球宇温基金について、ご紹介させていただきます。今年度におきましても既にご寄付のお申込みをいただいており、お力添えに応えるべく今後も離島派遣の一層の充実をはかっていきたいと思っております。過去の助成について、詳しくは以下の記事をご参照ください。
R3年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1941
R2年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1623
R元年度の助成について
↓
https://www.consortium-okinawa.or.jp/kg-vc/archives/1214
参加した学生には、あらかじめ琉球宇温基金についてのお話をして、一人一人が宇温さんの思いを抱きながら活動にあたったことと思います。また、居場所の方々も、趣旨にご賛同くださり、写真撮影に快くご協力して下さいましたこと、あらためてお礼申し上げます。
これからも離島派遣事業を通して、宇温さんの思いを引き継いでいきたいと思います。